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乳歯の虫歯について母親が知っておかなければいけない6つのこと

子供の乳歯に虫歯が出来てしまった。春に幼稚園で受けた歯科検診では何もなかったのに、子供の歯に穴が開いているのを見つけた。こんな時はとてもショックですよね。自分が虫歯で苦労した分、子供にはそんな思いをさせたくないご両親はたくさんいます。チョコやジュースを控えて、仕上げ磨きもしていたのに。なぜ、という思いが強いと思います。

乳歯の虫歯がなぜ突然出来てしまったのか、このページでは突然できた乳歯の虫歯のメカニズムを全て解説します。また、できてしまった乳歯の虫歯の治療法やこれから虫歯をつくらないための予防法まで詳しくお話しします。ぜひ、参考にしてみてください。

1.乳歯の虫歯について母親が知っておかなければいけない6つのこと

1-1.歯と歯の間にできやすこと

乳歯の虫歯がよくできるところは、奥歯の歯と歯の間で、見た目にはよくわかりづらく、虫歯が進行しても気づくのが遅れ、突然穴が開いてしまいます。奥歯の歯と歯の間は詰まっているので、デンタルフロスを使わないと汚れが残ってしまいます。歯医者でレントゲンを撮って初めて気づくことも多いのです。

1-2.乳歯の虫歯は黒ではなく白いこと

乳歯の虫歯は大人の虫歯のように黒ではなく、白いことが多く虫歯になっても気づかず進行してしまいます。黒い虫歯はゆっくりと進行する虫歯で、白い虫歯は早く進行する虫歯です。乳歯は歯がやわらかいので早く進行する白い虫歯が多いのです。

1-3.痛みが出にくいので虫歯の進行に気づきにくいこと

子供はまだ痛みの感覚が発達しておらず、痛みがあっても気づきにくいので虫歯が大きく進行してしまうことが多いのです。虫歯の痛みで感じるよりも、虫歯で穴が開いて、そこに食べカスが詰まって歯ぐきが腫れていたい場合が多いのです。痛みは出たり、引いたりしますので、子供が痛いと言っても、次の日には治ってしまい、見過ごされてしまうことがあります。食べ方や仕上げ磨きの時に小さな変化を見逃さずに、観察してあげることです。

1-4.乳歯の虫歯は食事の変化で進行が早くなること

乳歯の虫歯は食事の変化で進行が早くなる

子供は発達するにつれて味覚が変わっていき、母乳、離乳食、おやつなど食感、味覚が発達し、経験によって味を覚えて行きます。おやつなど甘いものを覚えて行くと量も増え、歯を溶かすスピードも速くなり乳歯の虫歯の進行が早くなります。

1-5.乳歯はエナメル質が薄いこと

歯の表面は体の中で一番硬いエナメル質でおおわれていますが、乳歯のエナメル質は大人の半分しかないので虫歯の進行が早いのです。お口の中では食事の度に歯が溶ける(脱灰)と溶けた歯を戻す(再石灰化)を繰り返しています。虫歯がエナメル質内であれば再石灰化で治る可能性があります。しかし、その下の柔らかい象牙質まで入ると虫歯は一気に広がってしまいます。

1-6.乳歯は虫歯になると神経まですぐに進行してしまうこと

乳歯は神経が大きく、エナメル質と象牙質の厚みが薄いために、虫歯になると直ぐに神経まで進行します。乳歯は永久歯と生え変わりを行う時に神経があることによって乳歯の根を溶かし永久歯との生え変わりをスムーズに進めます。そのため乳歯の神経は大きく、虫歯になるとすぐに神経まで進んでしまいます。

2.乳歯の虫歯がよくできる場所

2-1.奥歯と奥歯の間

子供の乳歯の虫歯が一番よくできる場所は奥歯と奥歯の間です。乳歯の奥歯と奥歯の間はすき間がなく、歯ブラシでは汚れを落とすことができないので、デンタルフロスが必要です。デンタルフロスをしているときに、引っ掛かりがあるようなら虫歯の可能性があります。早めに歯医者で確認しましょう。

奥歯と奥歯の間(上顎)

奥歯と奥歯の間(下顎)

奥歯と奥歯の間(レントゲン)

奥歯と奥歯の間(レントゲン2)

2-2.上顎の前歯と前歯の間

上顎の前歯と前歯の間、特に根元のあたりにできる虫歯で、飲み物が原因になることが多いです。哺乳瓶で長くミルクやスポーツドリンクなどを与え続けると虫歯(哺乳瓶虫歯)ができます。

上顎の前歯と前歯の間

2-3.奥歯の溝

乳歯の溝は深く虫歯菌がたまりやすい形をしています。あまり深いと歯ブラシが奥まで届かないために虫歯菌が残り奥に進行して行きます。

上顎の奥歯と奥歯の間

2-4.乳歯と歯ぐきの間

子供の歯ぐきは柔らかく、歯ブラシが強く当たると痛がります。仕上げ磨きの時、歯と歯ぐきの境目を磨けない時に初期虫歯が始まってきます。虫歯の色は透明感のない真っ白い色で、歯ぐきに帯状に見えます。わかりやすい場合なので早くに気づきやすく、歯磨きやフッ素で元にもどります。

3.乳歯の虫歯の治療法

3-1.初期虫歯

乳歯の初期虫歯は白くにごって見えます。この段階では歯を削らずにフッ素を塗って歯を強くすることによって治します。虫歯の原因となるおやつの習慣や歯磨きのやり方を変え、定期的にフッ素を塗り続けると元の歯に戻ってきます。

フッ素塗布の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。

3-2.小さい虫歯

乳歯の虫歯の進行は早いので神経に入る前に虫歯をとってからプラスチックで詰めます。乳歯は大人の歯よりも柔らかく、歯が削れやすいため、硬さが違うプラスチックははじかれて取れやすいので一度詰めても注意が必要です。

子供の虫歯治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。

3-3.神経まで広がった虫歯

乳歯の虫歯が神経まで広がると神経をとったり、切断したりします。乳歯にとって神経は永久歯との生え換わりにとても大切です。しかし、神経まで虫歯菌が入ってしまったら、根の先に膿をため永久歯を変色させたり、歯並びを悪くしたりするので根の治療をします。また、神経がない乳歯は永久歯との交換の際うまく抜けないことがあるので、永久歯のじゃまをするようであれば抜歯をします。

乳歯の虫歯治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。

3-4.根っこだけになった虫歯

乳歯の虫歯が進行し根っこだけになってしまったら、できれば根の治療をして残します。根の状態にもよりますが、乳歯は永久歯の生えてくるスペースを確保する役割もあります。
乳歯が早くに抜けてしまうと、下から生えてくる永久歯は出て来れなかったり、デコボコになってしまうことがあります。もしどうしても抜歯が必要なら、永久歯の出てくるスペースを確保しておく装置(保隙装置)を入れておく必要があります。

3-5.治療にどうしても子供の協力が得られない場合

年齢が低すぎて虫歯の治療ができない場合や恐怖心が強く動いてしまう子供は歯を削ったりすると危ない場合もあります。その時は濃度の濃いフッ素を定期的に塗って虫歯の進行を抑えます。虫歯はそのまま再石灰化し、治療をせずに済む場合もあれば、柔らかかった虫歯が硬くなり、虫歯を取っても痛くなくなることもあります。ただ、虫歯の進行があまりにも広範囲にあるにもかかわらず、治療ができない場合は全身麻酔で治療を行うこともあります。

3-6.乳歯治療は繰り返す

乳歯の治療は永久歯のようにしっかりとした治療ができないことです。その理由の一つは乳歯は永久歯より歯のすり減りが早いため、詰め物が浮いた状態になり、はじかれ取れてしまいやすいことです。二つ目は永久歯が下から生えてきて、乳歯の根が溶かされ短くなるため、根の治療はしっかりとできず、腫れを繰り返すことがあることです。一度歯を削ってしまうと再治療をする可能性が高まりますので定期的な観察が必要になります。

4.自宅で出来る予防方法

4-1.歯磨き

歯磨きは毎食後きちんと磨くのではなく、虫歯になりやすいところを注意して磨きます。子供の食事は4回5回と多いものです。毎食後歯磨きをしていたらとても大変です。そこで特に虫歯になりやすい噛む面の溝、歯と歯ぐきの間を優しく磨きます。特に寝る前にはしっかり仕上げ磨きをしてあげてください。

4-2.デンタルフロス

乳歯で一番虫歯になりやすいのは奥歯の歯と歯の間です。ここはデンタルフロスでなければ磨くことができません。大変だと思いますが、寝る前に一度デンタルフロスを通してあげてください。

デンタルフロス

4-3.フッ素

歯磨きや歯磨き後にフッ素を使い虫歯を予防します。乳歯はもともと永久歯よりエナメル質が薄く弱いため虫歯になりやすいのです。そこでエナメル質を強くするためにフッ素入りの歯磨き粉や、ジェル、洗口材を使います。

4-4.キシリトール

キシリトールは虫歯菌が歯を溶かす酸を作ることができないために、虫歯ができません。キシリトールの成分が90%以上ないと本来の効果は期待できないため、歯科医院専用のキシリトールのガムやタブレットが効果的です。

4-5.感染防止

子供のお口の中の細菌が定着するのは3歳くらいまでです。それまでにご家族のお口の中の虫歯菌がスプーンなどから感染すると、虫歯菌が増え虫歯になりやすいお口の中になります。ご家族のお口の中を清潔にしておくことで虫歯予防ができます。

4-6.プロバイオティクスによる予防

プロバイオティクスとは悪い菌(悪玉菌)が増えたとき、良い菌(善玉菌)を増やして細菌のバランスを整えることです。口の中の場合、歯周病菌や虫歯菌などの悪玉菌が増えると歯や歯茎に悪い影響が及びます。
プロバイオティクスで善玉菌を増やすことによって、口の中の悪玉菌の比率を相対的に減らし、口の中のバランスを整え、正常な状態に近づける予防法です。

5.歯医者で行う予防方法

5-1.フッ素塗布

歯医者で定期的にフッ素塗布を行い乳歯の虫歯を予防します。歯医者では普段歯磨きやデンタルフロスでは落としきれない汚れや、歯石をきれいにクリーニングします。きれいになった状態で普段のフッ素より高濃度のものを歯に取り込ませ、エナメル質表面を強くします。乳歯のフッ素塗布は3ヶ月おきに行うと効果的です。

5-2.シーラント

乳歯の奥歯の溝に虫歯菌が入り込まないようにシーラントをします。シーラントとは乳歯の奥歯の溝をきれいに清掃して、薄いプラスチックでコーティングすることです。乳歯の奥歯は深く、歯ブラシでは届きにくい場所です。シーラントをすることによって乳歯の溝からの虫歯を予防できます。

シーラント治療の流れと実際の治療の様子をわかりやすく動画にまとめましたので、こちらでご覧ください。

5-3.唾液検査

乳歯の虫歯は多くの原因によってできます。唾液検査をすることによって何を改善すれば虫歯にならないか予め知ることが出来ます。唾液検査では主な虫歯菌であるミュータンス菌やラクトバチラス菌の量、唾液量、唾液緩衝能、プラーク量、食事回数、フッ素の使い方を調べ、虫歯のなりやすさを測定(カリオグラム)し、個人個人に対する予防プログラムを作り、乳歯の虫歯を防いで行きます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。乳歯の虫歯は進行が早く出来てからでは遅くなってしまうことが多いです。なんでも相談できる歯医者を見つけ、歯医者に行く理由を虫歯を治しに行くのではなく、虫歯を作らないために行くところにしてみれば、子供達も楽しんで歯医者に通えると思います。

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